【初心者エンジニア向け】kintoneで販売管理はできる?活用事例と導入メリットを徹底解説!

はじめに

社会人1年目でエンジニアとして働き始めると、日々の業務を通じて「もっとシステムのことを理解したい」と思う瞬間が増えてきます。特に会社に欠かせないのが、販売管理と呼ばれる仕組みです。

販売管理は、売上を把握し、在庫や顧客データと結びつけながら運営を支える大切な業務。けれど従来のシステムは導入コストが高かったり、柔軟な変更が難しかったりと、現場の声に応えられないことも少なくありません。

そんな中で注目されているのが 「kintone(キントーン)」 です。サイボウズが提供するクラウドサービスで、ノーコードから始められる手軽さと、エンジニアがコードで拡張できる柔軟さをあわせ持っています。

この記事では、

  • kintoneで販売管理は本当にできるのか
  • 在庫管理や顧客管理とどう結びつくのか
  • 実際の活用事例
  • エンジニア視点での導入メリット

これらを整理しながら解説します。若手エンジニアとして知見を広げ、将来の提案やキャリア形成に役立つ内容になっていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

kintoneとは?まずは基本を理解しよう

では最初に、そもそもkintoneがどういうサービスなのかを整理しましょう。

kintoneは、クラウド上で業務アプリを簡単に作成・運用できるプラットフォームです。プログラミング知識がなくても、画面上でフィールドをドラッグ&ドロップするだけでアプリが完成します。イメージとしては、Excelの延長線上にある業務アプリ作成ツール、と言うと分かりやすいかもしれません。

しかし、単なる表計算ツールとは違います。データはクラウドに蓄積されるため、複数人で同時に利用でき、更新履歴も自動的に残ります。さらに、承認フローや通知といった業務に欠かせない機能が標準で備わっており、アプリ同士を関連付けることも可能です。

加えて、エンジニアにとって注目すべきは「拡張性の高さ」です。JavaScriptやプラグインを組み合わせることで、より高度な業務システムへと進化させられます。つまり、最初はノーコードで導入して現場がすぐに使い始められ、その後必要に応じてエンジニアが本格的なカスタマイズを施せるのが大きな特徴なのです。

販売管理が抱える課題

次に、販売管理そのものについて少し触れておきましょう。販売管理は大きく分けると、在庫管理、顧客管理、売上管理の三つの領域があります。

例えば在庫管理では、商品がどれだけ残っているのか、発注が必要なのかを常に正確に把握しなければなりません。顧客管理では、「誰に」「どの商品を」「いつ販売したのか」という履歴を追うことが重要です。そして売上管理では、請求や入金状況を記録して、キャッシュフローを安定させることが求められます。

従来の販売管理システムやExcel運用では、部署ごとにデータが分断されてしまい、同じ情報を二重入力することも珍しくありません。入力の遅れによってリアルタイム性が失われたり、カスタマイズしづらいシステムのせいで業務に合わせた柔軟な対応ができない、といった課題もありました。

こうした課題を解消できるのがkintoneです。一つのプラットフォーム上に在庫・顧客・売上をまとめられるため、データの一元管理が可能になり、業務効率が大幅に向上します。

kintoneで販売管理を実現するには?

それでは具体的に、kintoneを使って販売管理を構築するイメージを見ていきましょう。

アプリを組み合わせて「仕組み」を作る

kintoneには「販売管理専用パッケージ」があるわけではありません。その代わりに、複数のアプリを組み合わせてシステムを構成します。例えば:

  • 商品マスタアプリ:商品コード、商品名、単価、在庫数を登録
  • 顧客アプリ:顧客名、住所、担当者、過去の取引履歴を管理
  • 受注アプリ:受注日、商品、数量、顧客を記録
  • 売上アプリ:請求や入金の状況を追跡

このように分けて作ることで、それぞれのアプリが独立しつつも、関連レコードやルックアップ機能で結びつき、販売管理全体を支える仕組みになります。

カスタマイズでさらに便利に

ノーコードで十分に運用できるケースも多いですが、エンジニア視点で面白いのは「拡張」部分です。
たとえば、JavaScriptで「受注登録時に在庫数を自動で減らす」処理を入れたり、プラグインで「請求書をPDFで自動出力する」仕組みを組み込むことも可能です。
APIを使えば外部の会計ソフトやECサイトとも連携でき、会社全体の業務フローにシームレスに組み込めるようになります。

kintone活用事例:在庫管理・顧客管理との連動

販売管理は単体では成り立ちません。在庫や顧客とつながることで初めて意味を持ちます。ここでは代表的な活用事例を紹介します。

事例1:在庫管理と連携した効率化

ある卸売業の企業では、商品ごとに在庫数をExcelで管理していました。しかし営業担当が外出中に最新の在庫状況を確認できず、受注後に「在庫切れが発覚する」といったトラブルが頻発していたのです。
そこでkintoneを導入し、在庫アプリと受注アプリを連携。営業担当はスマートフォンからリアルタイムの在庫を確認できるようになり、受注と同時に在庫数も自動的に更新されるようになりました。結果として、在庫トラブルが激減し、業務全体のスピードも大きく向上しました。

事例2:顧客管理との一元化

ある小売企業では、顧客情報が営業担当者ごとにバラバラに管理されていました。そのため、新しい担当者が引き継ぐ際に過去のやり取りが把握できず、顧客満足度が下がる要因となっていました。
kintoneを導入して顧客アプリを構築し、販売履歴や問い合わせ履歴を一元管理することで、誰が見ても顧客の状況がすぐ分かるようになりました。顧客対応の品質が安定し、クロスセル提案などの営業活動にも活かせるようになったのです。

これらの事例は、kintoneが単なる「販売記録ツール」ではなく、在庫や顧客と結びついた包括的な販売管理基盤になり得ることを示しています。

導入メリットをエンジニア視点で考える

では、実際にkintoneを導入するとどんなメリットがあるのでしょうか。エンジニアのキャリアという観点も含めて整理してみます。

1. 現場主導で始められる柔軟さ

従来の販売管理システムは、要件定義からリリースまでに長い時間がかかりました。kintoneなら、現場担当者自身がアプリを作り始められるので、スピード感が全く違います。エンジニアは「ゼロから構築する」よりも「現場の工夫をさらに便利にする」という関わり方ができます。

2. ノーコードからローコードへ広がるキャリア

若手エンジニアにとっては、kintoneの学習はキャリア形成にも役立ちます。最初はアプリ作成のサポートや簡単な設定変更から関わり、次第にJavaScriptやAPI連携に進むことで「業務理解 × 技術スキル」の両方を伸ばすことができます。

3. 提案力を高められる

将来的にプリセールスやコンサル寄りのキャリアを目指す人にとっても、kintoneの知識は武器になります。「販売管理をkintoneでこう実現できます」と具体的に提案できると、クライアントからの信頼は大きく高まります。

まとめ:kintoneは販売管理の新しい選択肢

本記事では、kintoneを使った販売管理の可能性を紹介しました。

  • kintoneはノーコードでアプリを作成でき、販売管理も構築可能
  • 在庫管理や顧客管理と連携することで、より実用的な仕組みになる
  • JavaScriptやAPIで拡張すれば、専用システムに劣らない柔軟性を発揮
  • エンジニアにとっても学びやすく、キャリアや提案力の強化につながる

「販売管理システム=高額パッケージやフルスクラッチ開発」という常識は、kintoneによって変わりつつあります。若手エンジニアにとっても、触れておく価値が非常に高い分野です。

今後のキャリアに向けて、ぜひ一度kintoneの販売管理アプリを自分で作ってみることをおすすめします。実際に手を動かしてみることで、業務システムがどう作られ、どう現場に役立つのかが肌で理解できるはずです。

気になる方はこちらをチェック!⬇️

バナー広告