エンジニアとして仕事をしていると、必ずと言っていいほど耳にする「Git」。
しかし、「Gitは使っているけど、仕組みはよく分からない…」「概念を理解していないので説明できない」と悩む若手エンジニアは非常に多いです。
この記事では、
難しい技術ではなく“概念”に絞って、Gitの必要性と仕組みを初心者でもわかるように解説 します。
また、この記事は前編です。後編「【実践編】Gitが使える人になる!チーム開発で信頼されるマナーと工夫」につながる「本質だけ」をつかめる内容です。
1. Gitとは?一言でいうと“作業の歴史を残す仕組み”
Gitを一言で説明すると、
あなたの作業を“その時点のまま残せる仕組み”
です。
履歴を残せるので、いつでも過去に戻れます。
- 昨日のコードに戻したい
- ミスが起きた地点を特定したい
- 誰がどこを変更したか知りたい
こうしたニーズにすべて応えてくれるのがGit。
つまり、Gitはエンジニアの「安全ネット」 なのです。
2. そもそも、なぜGitが必要なの?
Gitが普及した理由は、とてもシンプルです。
ミスをしてもやり直せる
コードは小さなミスでも動かなくなることがあります。
Gitがあれば「壊すのが怖い」という不安が消えます。
作業内容を“見える化”できる
どこを触ったのかが一目でわかるので、原因調査が早くなります。
チーム開発に必須
複数人で作業すると、同じファイルを更新したり、作業がぶつかったりします。
Gitはこれを整理し、誰が何をしているかを明確にします。
世の中のほぼ全ての企業で使われている
未経験でも「Gitの概念が理解できているか」は選考の必須ポイントです。
つまりGitは「できると便利」ではなく “使えないと困る必須スキル” と言えます。
3. Gitの本質は「作業ノート」をつくること
「Gitの仕組み」と聞くと難しそうですが、初心者はこの3つだけ理解すればOKです。
1. Gitを使う=作業ノートを作る
Gitでプロジェクトを管理するというのは、
「この作業は全部記録していくぞ」という専用ノートを1冊用意するイメージ です。
2. コミット=作業メモを残す
コミットとは「いったんここで記録しよう」という作業。
- 何をしたのか
- どこを変えたのか
- なぜそうしたのか
これを自分に向けて残しておく短いメモです。
コミット=未来の自分へのメッセージ
と思えば難しくありません。
3. ブランチ=作業ページを分ける
新しい機能を作る時、
今の状態を壊すのが怖いなら、別ページで作ればいい。
この「別ページ」がブランチです。
- “安心して試せる場所”
- “成功したら本体に取り込める場所”
として使われます。
4. Gitがあると“作業が怖くなくなる”理由
初心者ほど、Gitが使えるだけで作業ストレスが大きく減ります。
コードを壊しても、昨日の状態に戻せる。
これだけで作業スピードが劇的に変わります。
「壊れたらどうしよう」
というストレスが消えるため、気軽に挑戦できるようになります。
Gitでは作業履歴が残るため、
- なぜ不具合が起きたのか
- どこで仕様が変わったのか
- 誰が何を編集したのか
の“理由”までたどれます。
企業が知りたいのは、
「Gitを知っているか」ではなく、
“自分の作業を整理して見せられる人か”
という点です。
Gitを理解しているだけで、
若手でも「この人はチーム開発に強い」と評価されます。
5. Gitは技術ではなく“考え方”から覚えるべき理由
初心者ほど、最初にコマンドから覚えようとしがちです。
しかし、Gitで一番つまずくのは コマンドではなく仕組み です。
正しい順番はこれ。
① まずは概念を理解する(この記事の内容)
- なぜ必要?
- 何ができる?
- どんな場面で役立つ?
ここを理解すれば、後からコマンドを見ると
「ああ、これはその動作のためのものね」と腑に落ちます。
② その後に実践編(GitHub+チーム開発)に進む
GitHubでのレビューやプルリクは、
Gitの概念が分かっていれば一気に理解が進みます。
③ コマンドは“慣れる”だけで十分
コマンドは形を覚える必要はありません。
概念がつかめていれば自然と使えるようになります。
6. Gitを理解すると“仕事の質”そのものが変わる
Gitは単なる技術ではなく、
エンジニアにとって 仕事の進め方そのものを変える基礎スキル です。
現場に入ると、これらがどれほど大きい価値を持つか体感します。
まとめ:Gitは“あなたを支える作業の土台”になる
この記事では、初心者でも不安がなくなるように
Gitの技術ではなく “意味・必要性・考え方” を中心に解説しました。
▼ 今日理解できたこと
- Gitは作業を安全に残せる “作業ノート”
- コミットは「未来の自分へのメッセージ」
- ブランチは「別ページで安心して作業する仕組み」
- Gitがあるとミスが怖くなくなる
- 企業はGitを使える人を高く評価する
- Gitは技術の前に“概念理解”が大事
次回の後編「【実践編】Gitが使える人になる!チーム開発で信頼されるマナーと工夫」では今回の基礎をもとに、
- チーム開発で何が起きるのか
- 若手がやりがちなつまずきポイント
- “信頼されるエンジニア”が意識しているGitの扱い方
を実務目線で解説していきます。









